【6か国語話者が教える】一度上げた英語力を維持する方法

  • 留学したけど今は聞こえないし話せない
  • 大学受験では英語ができたけど、今はすべて忘れた
  • 仕事で英語を使わなくなったら簡単な単語も出てこなくなった

など、以前は英語がある程度できていたはずなのに、時が経って英語力の低下を感じて落ち込んでいる…という方も多いのではないでしょうか?

ですが、これは当然のこと。
なぜなら

  • 幼少期にピアノやサッカーを習っていたけど、練習を辞めてから以前のように手や足が動かせなくなった

というように、言語も同じく使わなければ次第に忘れてしまうものだからです。

帰国子女であっても日本で生活をしていたからほとんど英語が話せない
と言っているのを耳にすることもよくありますよね。

では一生頑張り続けないと維持できないのか?
というとそういうわけではありません。
一度上げた英語力は、やり方次第で維持することが可能です。

そこで今回は、6か国語をマスターした私の経験に基づいた

  • 一度上げた英語力を維持する方法

こちらについてご紹介します。

今回紹介する効率的な学習法を実践することで、

  • 少ない労力で現在の英語力を維持できる

だけでなく、さらに向上させることが可能です。

英語を一から学び始めたときよりはずっと簡単なので、ぜひ自分に合った学習法を選んで活用してみてくださいね。

英語力低下のスピードは?

本題に入る前に、まず気になるのが「身に付けた英語力はどれくらいで低下してしまうのか」ということですよね。

結論から先にお伝えすると、たった1か月英語に触れない生活を続けてしまうだけで

  • とっさに英語のフレーズや単語が浮かんでこなくなった
  • 英語の会話が聞き取りづらくなった
  • すらすらと流れるように発音できなくなった

といった問題が次第に出てくるようになります。もちろん個人差やもともとの英語レベルにもよります。ただ、全く英語に触れない期間が1か月、3か月、半年、1年…と長くなればなるほど学習前のレベルにまで戻る可能性は大です。
これこそが、母国語以外のあらゆる言語の習得が難しいと言われる所以の1つでもあります。

維持させることは可能?

せっかく必死に努力して身に付けた英語力がいとも簡単に低下してしまうなんて…と、ショックを受けた方も多いかもしれません。
ですが、安心してください。簡単に低下してしまう一方で、取り戻せるスピードも実は比較的早いです。

今からご紹介する効果的な勉強法を用いながら継続して英語を学ぶことで、現在の英語力を維持することは可能です。
ただ、「現在の英語力を維持すること」を英語学習の目的にしてはいけません。なぜなら、現状維持という目標設定では学習のモチベーションが上がらないので、継続的に英語学習を行うことが難しくなってしまうからです。そうなると当然英語力は維持も向上も難しくなりますよね?そのため、現在の英語力を維持したいと考えているのであれば、さらなる英語力アップにつながる高めの目標設定をおこない学習を進める必要があります。

一度習得した英語力を維持&向上させる6つの方法

それでは、いよいよ本題に入っていきましょう。ここからは、一度身に付けた英語力を維持し、向上させることができる5つの方法についてご紹介します。

【前提】明確な目標をたてる

具体的な学習法をお伝えする前に、まず皆さんにやってほしいことがあります。
それは

  • 明確な目標を立てること

です。

この先、どんな学習方法を実践することになったとしても、こちらは必ず最初に行う必要があります。
なぜなら、明確な目標を持たず「現在の英語力よりレベルアップしたい」「少なくとも現状は維持したい」などといった漠然とした考えのまま勉強を始めても、それはゴールのないマラソンを走り続けるのと同じようなものだからです。それでは最後まで学習を継続させることができず、挫折してしまいますよね。

だからこそ、

  • 今年中にTOEICのスコアを50点上げて、昇給する
  • 来年度、海外赴任の希望を出す
  • 夏休みに個人手配で1人で海外旅行に行く

などといったように、自分はどうして英語を身に着けたいのかをまずはっきりさせることが大切です。それから実際に学習に取りかかることで、モチベーションを保ちながら学習を継続させることができるようになります。それだけでなく、目標に応じた学習計画が立てやすくなるので、効率的に勉強することも可能になります。
どんな目標でも構いませんので、まずは英語を自分の人生にどう活かしていきたいのかをできるだけ具体的にイメージしてみてくださいね

①独り言トレーニングをする

目標が決まったら、次は具体的なトレーニング法について紹介していきます。

まず1つ目は

  • 独り言トレーニングをすること

です。

英語圏に住まない限り、日常的に英語を話す環境に身を置くことは難しいですよね。特に日本では、ほとんどの方が日本語話者なので、普通に過ごしているだけでは英語を話す機会はほとんど訪れません。だからこそ、意識して英語をアウトプットする機会を設けることが必要になってきます。

そこで私がおすすめしたいのが、

  • 家の中では、英語で独り言を言うようにする
  • 考え事をする際には、積極的に頭の中で英語を使う

という独り言です。

とはいっても

  • どうやればいいかわからない
  • 合っているか確認できないし

など色々と思うところはあるかもしれないですが、難しいことを言おうとする必要はありません。

  • 今日は友達と会うから楽しみ
  • 仕事前に○○をしなきゃ

など短い文でOKなので、英語で考えるクセをつけていきましょう。このトレーニングを習慣づけることで、日常的に英語を使う機会を増やすことができます。また、自分の頭で考え、自分の言葉で英語を表現することで、次第に自分の苦手分野・文法や単語などが明確になっていきます。

とっさに出てこなかったり上手く表現できなかったりする表現はその場では日本語で口にしてしまいましょう。そしてあとで調べて使ってみる、と言う感じでインプット&アウトプットをどんどん回していくことで次第に使える英語の幅が広がっていきます。

詳しいやり方についてはこちらの記事でも紹介しているのでぜひ参考にしてくださいね。

独り言英会話ってどうやるの?やり方やネタ&フレーズ例をご紹介

②洋画を観てアウトプットをする

2つ目の方法は、

  • 洋画や海外ドラマを見てアウトプット

です。

一度英語力を上げた方であれば、TOEICや英検などのきれいな英語を聞き取ることはさほど難しく感じないはずです。
一方でネイティブが話すような英語はなかなか聞き取れず落ち込むこともあるのではないでしょうか?

だからこそもう一段階レベルアップするためにもあえて洋画や海外ドラマを教材として活用しましょう。

洋画やドラマを使って学習することで

  • ネイティブが実際に使う英語フレーズや自然なイントネーション、会話スピードなど生きた英語を学べる
  • お気に入りの洋画や海外ドラマを教材にすることで、楽しみながら英語学習を継続できる
  • 映像と音声がリンクしているので、繰り返し視聴することで英語を英語のまま理解できるようになる

といったメリットがあります。

ただし、洋画やドラマを勉強に取り入れる際は視聴するだけでなく、

  • 単語やフレーズを声に出してアウトプットする

というトレーニングも必ずおこないましょう。これがないと英語力は1ミリも伸びません。

ネイティブの音声を聞きとれるようになるためには、自分もその音を発音できるようにならないと一生聞こえるようにはなりません。
ぜひ登場人物になりきって音声を真似しましょう。

詳しいやり方はこちらの記事でも詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。

6ヶ国語話者が教える!効果的な英語リスニング勉強法

③英語を話す環境に飛び込む

3つ目は、

  • 英語を話す環境に飛び込んで学ぶ

という方法です。

具体的には

  • 市町村や大学などが主催する国際交流イベントに参加する
  • 外国人旅行客対象の観光ボランティアをする
  • 英会話カフェに行く
  • 国際シェアハウスに入居する
  • SNSサイトを通じて海外の方とやり取りをする

など。
意外と知られていませんが、日本国内では色んな地域で外国人居住者や留学生などが関わるイベントが開催されています。
これらは参加費が安かったり無料だったりするので、ぜひ一度調べてみることをおすすめします。

いきなり英語をはなす場に飛び込むという方法は結構ハードルが高い…と感じる方は多いかもしれませんが、実践の積み重ねが一番の上達への近道です。
また実際に英語を話す相手がいるほうが家の中で1人で学習するよりも記憶に定着しやすいというメリットもあります。

最初は思うように英語が口から出てこなくて落ち込むことがあるかもしれません。ですがその経験が英語力アップへのモチベーションにつながり、さらなる英語力向上へのきっかけになるかもしれません。

独り言より実践的な会話でどんどん力を積み重ねていきたい!という方にはおすすめです。

④オンライン英会話を活用する

5つ目の方法は、オンライン英会話を活用することです。

オンライン英会話には、

  • マンツーマンレッスンが基本でありながら、対面のレッスンより価格が安い
  • 自宅にいながら気軽にレッスンを受講できる
  • 様々なプランが設定されているので、レッスンの内容・難易度、受講頻度などを自分で細かくアレンジできる

などの特徴があります。

しかし、オンライン英会話をただ受けるだけでは、ほぼ意味がありません。
オンライン英会話を「どう活用していくか」が肝になります。

そこで受講を考えている方はとくにこれからお伝えする2つの注意点を頭にいれておいてください。

①レッスン中は受け身にならない。失敗を恐れず自分から積極的に発言する
自ら進んで話せば話すほど、英語力は向上します。レッスンは練習の場なので、完璧な文章を作る必要はありません。自分の持っている語彙・フレーズを使ってできる限り自分の言葉を使って発言しましょう。たとえ間違えても、正しい言い回しや文法を教えてもらうことができますし、間違えた経験によって記憶に定着しやすくなるといったメリットがあります。

②レッスン前後の復習を欠かさない
オンライン英会話はレッスンの前後が一番大事です。

【レッスン前】

  • 話したいトピックやフレーズを準備
  • 普段の学習での疑問など、質問内容を考えておく

【レッスン後】

  • 新しく覚えた単語やフレーズを復習
  • うまく伝えられなかった文章を復習
  • 難しかった発音を練習

など振り返りをおこないましょう。

これらをするかしないかでは、英語力の伸びに雲泥の差が出ます。
とくに復習はオンラインレッスンの一部であるといっても過言ではありません。支払っているお金を無駄にしないためにもぜひおこなうことをおすすめします。

⑤英語アプリを活用する

5つ目の方法は、

  • スマホの英語学習アプリを活用すること

です。

こちらは、スマホ1つでいつでもどこでも手軽に英語を勉強することができるため、忙しい社会人の方に特におすすめしたい勉強法です。通勤や通学などの隙間時間にアプリを使うだけで、毎日まとまった学習時間を確保することができなくても英語学習をルーティーン化させることができます。また、英語学習アプリには継続して取り組みやすい工夫がされているので、挫折することなく楽しんで学習を行うことができます。
それだけでなく、日常英会話・発音矯正・リスニング・TOEICや英検などの試験対策といった多岐に渡るジャンル、難易度からアプリを選ぶことができるのもポイントです。これらの中には無料で使えるものも多く存在するので、その中から

  • 自分に合ったレベル
  • 学習用途にあったもの

を選んで、ぜひ活用してみてくださいね。下記に、用途別のおすすめのアプリをいくつかご紹介しているのでよかったら参考にしてください。

◎Hello Talk(日常英会話)
世界中のネイティブスピーカーとチャットができるアプリです。自分の音声を記録して正しい発音を教えてもらったり、日記を投稿して文章の添削をしてもらったりすることもできます。そのため、使い方次第で英語学習に大変役立ちますよ。

◎ELSA Speak(発音矯正)
独学で学習していると、どうしてもつまずきがちである英語の発音を矯正してくれるアプリです。AIが自分の発音とネイティブの発音を比較し、細かい部分まで詳しく分析しフィードバックしてくれるのが特徴です。

◎TED Talks/BBC Learning English(社会人・英語上級者向け)
TED Talksは各分野のプロフェッショナルのスピーチを視聴できるアプリで、BBC Learning Englishはイギリスの国営放送が提供するニュースチャンネルです。これらを視聴することで、実際にネイティブが使うリアルな英語に触れることができます。

大事なのは継続的なアウトプット

ここまでお伝えしてきた勉強法はすべて

  • アウトプットを重視した学習法

です。

つまり、私がこの記事で一貫して伝えたいのは、継続したアウトプットこそが英語力を維持・向上させる秘訣であるということなのです。

こちらの図のように、英語力は土台に基礎学習(単語・文法)、真ん中にインプット(リスニングや長文読解)、頂点にアウトプット(英会話や英作文)で構成されたピラミッドで構成されています。一度ある程度のレベルまで英語力を伸ばすことができた皆さんは、土台となる基礎は充分にできている状態だと思います。そこで大事になるのがその先の段階のインプット&アウトプット。ですが残念ながら多くの方はアウトプットをほとんど実践できておらず英語力がなかなか伸びていきません。

だからこそ今まで以上にアウトプット中心の学習にシフトすることが、その先の英語力UPにおいて非常に重要です。まずは自分が出来そうなことを無理のない範囲で実践してみてください。

Danaのおすすめはリプロダクション!

最後に、私がおすすめするとっておきのアウトプット学習法であるリプロダクションをご紹介します。

リプロダクションとは

①自分のレベルに合った英語音声をリスニングする
②自分がリピートできる長さで音声を止める
③聞こえてきた音を声に出してリピートする

という3ステップで、プロの通訳士を育成する訓練にも使われているほど英語学習に効果的なトレーニングです。

このリプロダクションを継続することで、英語のアウトプットの習慣が付くだけではなく、

  • リスニング
  • スピーキング
  • 発音

など英語力全般を劇的に伸ばすことができます。

実際に私の生徒さんの中には、リプロダクション開始1か月でリスニング力の向上を実感した方もいます。

リプロダクションは初心者~上級者まですべての英語学習者にとって再現性の高いトレーニング法ですが、1点だけ注意点があります。
それは

  • スクリプトを読み上げるのではなく聞こえてきた音をそっくりそのままリピートすること

です。音声をきいて自己流の発音をしているのでは全く意味がありません。
例えば、英語の”chocolate(チョコレート)”は、実際の発音では「チョコレート」ではなく「チャックレッ」のように発音されますよね。このように、聞こえた音をそのまま再現することを常に意識しましょう。

まとめ

いかがでしたか?
身に付けた英語力を維持するためには、継続してアウトプット中心の学習を行うことが必要不可欠です。努力して養った英語力をこのまま何もせず失ってしまうより、せっかくなら日々の生活に英語学習を習慣づけていきましょう。そうすることで、無理なく長期的に英語力を維持することができるようになりますよ。

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デイナ / Dana 【英語の先生】
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日本に来て10年以上経ちますが私がSNSを通して発信することで多くの日本人の助けになる、とのアドバイスから発信活動を始めました。
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